05 教育|チェンジメーカーの育成 教育機関や企業、ビジネスリーダーと連携し、学生向けの探求学習支援と若手社会人向けの事業創出支援
異彩なハイパー学生や半歩先を行くリーダーたちならではのアイデアを育てる教育プログラムやフィールドを提供し、チェンジメーカー育成とイノベーション創出を支援します。
「平和×ビジネス」人材育成プログラムの特徴 「アニマルスピリッツ養成プログラム」 と「Win-Win思考養成プログラム」 従来型の平和教育・学校教育やインキュベーションをアップデートする、新しい人材育成プログラムを提供します。
平和×ビジネスの次世代リーダー育成プログラム「CHANGE MAKERS」 ”U29が楽しく自己実現できる最高の環境を作る”をパーパスに、起業家や社会課題の解決を目指す中高生・大学生・若手社会人の夢実現を支援する一般社団法人ユースキャリア教育機構様と、平和×ビジネスの最前線で活躍するビジネスリーダーのネットワークを持つ私たちが互いの強みを活かしてコラボレーション。知識や経験を活かす機会を掴み取ることを支援し、平和×ビジネスの次世代リーダー不足解消とアラムナイ組織構築に挑戦しています。
株式会社セールスフォース・ジャパン様 丸の内本社ビルでのプロボノ説明会
本プログラムは、株式会社セールスフォース・ジャパン様の社会貢献プログラムの一環として、同社社員によるプロボノ支援ならびに会場施設提供等の支援を受けています。
手前:国際平和拠点ひろしま+東京コミュニティ代表の佐々木。奥:一般社団法人ユースキャリア教育機構代表理事の宇野晋太郎氏、CHANGE MAKERSプログラム受講者の水谷成美さん、馬上大地さん
CHANGEMAKERS参加者の声
個人の活動に限界。本当に価値あるものを届けるために、夢を理想で終わらせないために、真剣に向き合える。
馬上 大地
Daichi Magami
CHANGEMAKERS 第一期生
誰の顔色も気にせずに、自分のやりたいことを自分で決められる。できることの幅が広い環境が楽しい。
水谷 成美
Narumi Mizutani
CHANGEMAKERS 第一期生
学生時代に社会人から影響を受ける機会は貴重。一歩踏み出せない学生の挑戦を応援したい。その姿にワクワク。
高井 裕基
Yuki Takai
CHANGEMAKERSメンター
Salesforceでは、1-1-1モデルという形で社会貢献活動を通じ様々なリソースを社会に還元する取り組みを行っています。 ユースによるChangemakersプロジェクトにおいて、社員が就業時間の1%を活用したプロボノボランティアとして参画、プロジェクトの立ち上げや進行の面でビジネスで培ったスキルを用いて支援を続けています。学生のみなさんに伴走しその成長を見守ることで、日々の業務とはまた違った刺激を受け、社員自身も視野を広げることができ、社会課題への理解を深める良い機会になっています。
Salesforceの1-1-1モデルで社員が学生をプロボノ支援。 社員も刺激を受け、視野を広げ、社会課題の理解を深める機会に 。
アジェイ めぐみ
Megumi Agyei
株式会社セールスフォース・ジャパン 社会貢献部門 社員ボランティア・寄付プログラム担当
企業の社会的責任を学ぶ、CSR調達ゲーム「Game of Choice」 グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ) サプライチェーン分科会
国連グローバル・コンパクトの日本におけるカントリー・ネットワークとして発足したグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)。その分科会活動の一つ、サプライチェーン分科会様のご協力のもと、平和×ビジネスの次世代リーダーを育成していきます。
国連グローバル・コンパクトについて
CSR調達ゲーム「Game of Choice」とは?
GCNJサプライチェーン分科会が開発したワークショップ型のゲームです。サプライチェーンにおける社会・環境リスクを把握し、様々なステークホルダーの価値観や倫理観へ気づく体験により、 CSR調達の重要性を理解することができます。
社会問題に発展した事件に対して、あなたが企業の代表者だったらどう動きますか。あるいは消費者だったら、株主だったらどうでしょうか。「Game of Choice」を通じて、サプライチェーンに登場するキャラクターになりきって、行動を選択し、その選択理由についてディスカッションすることで得られる体験は、気づきと楽しさが満載です!
このゲームを自分事として活用していくために、私たち学生ができることを知りたい。 矢幅さん このゲームを通じて自分事として捉える上で、私たちは学生なので、消費者の役は考えやすいと思いますが、それ以外で学生としてどういう行動ができるのかをおうかがいしたいです。
サステナビリティがキーワード。環境や人権に対する取り組みを調べてみる。そういう目線を持って企業を、社会を、そして人生を選択しよう。 北條さん 学生さんはこれから進学や就職など人生においていろんな選択を迫られると思います。進学先で学びを深めていってもらいたいというのもあります。あと心に留めていただきたいのが、これから就職することになったときに、その会社がどんなサステナビリティの取り組みをやってるのかをぜひ調べてみてください。
企業がサステナビリティに取り組む理由の一つは、自社の持続可能性を高めることです。今VUCA時代と言われてますけれども、不確実な時代の中で適応しながら企業が存続していくには、今世間から求められていること、サステナビリティにきちっと対応できていることが一つ重要だと思います。
環境の取り組みや人権への取り組みに対して、その企業がどんなことをやっているのかを見たうえで企業選びをしていってもらいたいです。そうした目線で社会を見ながら、これからの人生の選択を積み重ねていってほしいなと思います。
矢幅さん ありがとうございます。学生は就職活動をする際にも、結構収入面を見過ぎてしまうと思うので、勉強会で学んだように、いろいろな選択肢を見比べて選択するのも大事かなと思いました。
モノを買う基準はQCDだけではない。企業にはサステナビリティに配慮した責任ある調達を行う必要性があることをを理解して、消費行動を。 中原さん 私は購買部に所属していますが、購買部がどのような仕事をしているか皆さんご存じですか。製品を作るまでに原材料やいろいろな部品を購入しないといけないのです。私はその部品を一つ一つどこから調達し、いくらで購入するかを決める仕事をしています。
みなさんは普段コンビニでお水を買うときに、容量や値段を見比べますよね。QCDという、クオリティ(品質)、コスト(価格)、デリバリー(納期)の考え方があります。基本はQCDの考えに基づき私たちは物を調達していますが、今日皆さんが学んでいただいたことは、QCDだけではなくてサステナビリティの視点を持たないといけないということです。
児童労働が発生していたら、そこから調達することが私たちの責任ある調達なのかということです。部品の調達先が、環境に悪影響を及ぼしていないか、人権が守られているかを日々考えています。企業には責任ある調達を行う必要性があることを理解した上で消費者という立場で消費活動をしてほしいなと思います。
矢幅さん まさに私、コンビニで、プライベートブランドの水か、コカコーラのいろはすの水かを悩んで、10mlの差でプライベートブランドの水を選びました。物を買うときに考えたいです。
消費者の意識が企業努力を実らせる。良い活動を見える化して、褒める文化をつくっていく、言い続けていくことで、『メンパ』を高めていこう。 桑原さん 今回いろいろなキャラクターを演じてもらいましたが、これから世の中に出たあとにはいろいろな立場になると思うし、自分の取引先はどう考えているんだろう、自分の製品を買っていただいてる方はどう感じてるいるんだろう、ということにぜひ思いを馳せていただければいいのかな思っています。
私は電気安全環境研究所というところで電気製品の安全性の試験・検査・認証をやって、その認証マークを事業者の方につけていただくという仕事をしています。皆さん、電気製品についている安全マークって知っていますか。残念ながらあまり知られていないです。
事業者の方々は結構努力をして、お金も払って、製品の安全マークをつけているのですが、消費者がそれを知らないと、努力するだけ無駄というか、安全対策自体がそんなに必要とされていないんじゃないかと誤解されるような悪循環が生まれてきます。そうならないように、皆さんがいろんなところで、表に見えない価値を意識して、こういうの大事だよねと言い続けていただくのが、非常に大切だと思っています。
QCDの中で特にコストを意識するという話がありましたが、最近の若い方は、『コスパ』とか『タイパ』とか言いますよね。コストに対するパフォーマンス、時間に対するパフォーマンスもあるのですが、心の満足度に対するパフォーマンスみたいなものが、これから広がっていかないかなと思っています。韓国では「メンパ(メンタルパフォーマンス:価心比)」を重要視することが流行っているそうです。この商品・サービスを選ぶことによって、私の心はどれだけ満たされるだろうかという価値観や選択基準が、まだ日本人にはなかなか馴染みがなくて、『メンパ』を選んでもらう基準にするような製品も企業としてまだあまり出せていないけれども、例えば、デカポスコアという、どれだけCO2が削減されているかを見える化していこう仕組みもあります。
世の中にとって良いと思えることもどんどん見える化していって、それを褒める文化をぜひみんなで作っていっていただけるといいのかなと思っています。
矢幅さん 心の満足度、『メンパ』っていう言葉を初めて聞いて、重要だなと思いました。私たちのコミュニティだけじゃなくて、友人にもこういう問題を話していきたいと思いました。
桑原さん 一番効くのは親。子供から、「お父さん、こういう(メンパの良い)ことをやっているの?」と聞かれたら、やってないとは言えないですね。例えば職場見学などで、小学生から「おっちゃんの仕事ってどんなふうに世の中に役に立ってるの?」と聞かれたら、お金を稼ぐためだけにやってますとはなかなか言いにくい。この仕事はこういうふうに世の中の役に立っているんだよ、と改めて考えさせられます。大人のこれからの働き方にも影響を及ぼしてくるので、ぜひいろんなところに働きかけをしていただけるとありがたいなと期待しています。
矢幅さん ありがとうございます。いろんな世代に聞いてみたいなと思います。
理想と現実の間にある利害対立や葛藤に向き合うために、どんなコミュニケーションや行動が大切なのかを知りたい。 中雄さん 普段は消費者の立場でしか考えることができていないのですが、具体的にNGO、企業、サプライヤーという立場になって考えてみることで、本当にいろんな利害対立や葛藤があるというのをすごく感じることができました。実際、やりたい理想と現実との葛藤が絶対あるのかなと思うのですが、どのようにステークホルダーとコミュニケーションをとっていますか。
主張ではなく相互理解から協力が生まれる。わがままでいい。我慢は続かない。儲かること、褒められることを続けて、偽善者から擬善者になろう。 桑原さん コミュニケーションの前に、皆さん今日のゲーム体験の中では、ステークホルダー同士で話をしていないですよね。今回のルールでは、各ステークホルダーから、それぞれの思いを一方通行的に企業に伝えただけになっていました。でも、実際の世の中だと、お互いがどういう考えを持っているのかがわかると、例えば小売店と消費者が一緒になって働きかけを行ったほうが影響力も強くなります。他の方が求めていることと違っているところ、歩み寄れるところ、ここの部分は譲ってここは協力できるんじゃないかということを、一緒になって考えると新たな解決策が見えてくることもあります。既成概念にとらわれずにいろいろな方々の意見を聞いてみることはとても大事なのかなと思ってます。
それともう一つは、逆に全くわがままにならないで我慢ばかりだったらどうなるかというと、多分何にも進まないです。私、「偽善者5段活用」という言葉を使わせていただいています。偽善者と聞くと何か悪いイメージがありますよね。でも、自分は儲けようと思ってやっていることが結果として世の中のためにもなっている取り組みだって、実はたくさんあると思います。儲けのためにコスト削減したら環境にも良かったみたいなことです。そういうことを褒めてあげる文化ができてくると、「偽」の善人が「疑」わしい善人になってきて、喜んでくれるならもっとやろうかなと思うと擬態の「擬」善者になる。
もっといくと「擬」がとれて善人になるんじゃないかという話をしています。でも、頑張りすぎて「ぜんにん(善人)」から「せんにん(仙人)」になってくれといっているわけではないです。自分が善人だと思い込んでしまったら、周りがどんどん見えなくなる。自分としては良かれと思ってやっていることが、他のステークホルダーにとっては悪い影響を与えている可能性もある。そういうことを考える、疑いを持つことも大事だし、もう一つは自分の儲けがないと継続しない、頑張れないというのがある。
多少でも儲かる、あるいは周りから褒められると、それがエンジンになって頑張れると思います。そういう意味で、自分がやっていることが、本当に周りに迷惑をかけていないのか、しっかり利益を生み出しているのかを考えて、「偽」の善人から「疑」問の善人、そして「擬」態の善人になるというのを回していくのがいいんじゃないかということで、いろんなセミナーの中でお話させていただいています。
中雄さん 今回のゲームでは、他のステークホルダーの話を聞いた後にこれだったら私も何かできるかもしれないということがあって、間のコミュニケーションでもっと大きい影響力を生み出してできることがあるのかなと思っていたので、納得しました。
偽善者5段活用も確かにそうだなと思って、実際に自分が良い人だと思い込んでしまうと自分も周りのことも疑わないし、実際は自分勝手な善人というのはあまり良くないかなと思いました。偽善だとしても、褒める文化、消費者がサステナビリティやSDGsに配慮して物を買えば、きっかけは偽善だったとしても本当の善になっていく部分もあるかなと思ってすごく納得しました。
桑原さん 良いことをやる人を叩くんじゃなくて褒めてあげてほしいですね。震災などで有名人が寄付をすると、売名行為だと叩く人がいるのですが、そうではなくて、すごいじゃないかと褒めれば、自分も売名行為と言われたら大変だと寄付することをためらっていた人も安心して寄付できるようになってきますよね。良いことをやってる人をみんなで認めて褒めてあげることが秘訣かなと思っています。
事件が起きてからでは遅い。何かが起きてから対策ではなく、未然に防ぐセルフアセスメントで、被害を最小限に抑え、利益も伸ばせる。 中原さん 今回皆さんが取り組んだ問題は、事件が起きてしまってからのアクションだったと思うのですが、そもそもこういう問題が起きない状態を企業が作り出すことが理想で、事件が起きてからの対応では遅いです。周りのステークホルダーに何かしら利害関係が発生してしまっている状態なので、そうさせないことを、まずは企業として取り組むことが一番大事。もし実際に起きてしまったら、何億・何兆円規模の損害になってもおかしくありません。そうしたら従業員が路頭に迷う可能性も十分あります。
冒頭の説明で、未然に防げたらこれぐらい利益が伸びていたという説明がありましたよね。後からどうするというより、先にそういうことが起きないようにどうすればいいのか、自分の取引先がどういう状態なのかをしっかり確認することが重要です。セルフ・アセスメントを用いてバイヤーがサプライヤーのCSR要件への理解度調査を行い、何かが起きてからの対策ではなく、それが起きないようにするところに意識を持って取り組むのが良いのかなと思います。
中雄さん 今回のゲームでは、企業の改善でコミュニティ内のことが解決されたとしても、同じようなことは世界中で起こっている中で、根本から解決することについては触れることはできなかったので、未然に防ぐところからももっと考えていかないといけないんだなと気づきました。
周囲の声に耳を傾け、関わっている人たちの立場や状況に思いを馳せることが大事。関係者の行動に影響を及ぼす情報開示を企業に働きかけよう。 北條さん 未然に防ぐことが一番ですけれども、起きてから対処を迫られることもたくさんあります。銀行は企業にお金を貸します。世の中に良いことをしている企業にはどんどんお金を貸していきたいし、逆に世の中に悪い影響を与えている企業にお金を貸していたら、銀行としての責任が問われてしまいます。銀行は良いお金を循環させるために存在しています。もちろん融資をする段階でその企業は良い企業なのか、何か問題を抱えていないかはきちんと見るのですが、お金を貸した後に、ある企業で人権侵害が起きていたことが発覚するようなケースもあります。
そうすると、この先もそのままその企業に貸し続けて良いのですか、という判断を迫られます。そのときに必要になってくるのは、その問題に関わっている関係者たちの話を、偏ることなく公正に、出来る限り沢山聞くことです。第一に考えないといけないのは、実際に被害に遭われた方や、その関係者の方々の救済。それから、直接被害に遭われていなくても、その企業で働く方々のことも考えなくてはいけないので、そうしたことも踏まえて問題の根本要因はどこなのかを把握する必要があります。
融資を行う責任として企業と二人三脚で、状況に応じて対話をしながら、その企業が良い方向に行くためにはどうしていくのが最善なのかを考え、サポートしていくことが銀行の役割なのかなと思います。
観点は変わりますが、冒頭で消費者の立場として意識を変えるお話がありましたよね。それには、企業側ももっと情報発信をしていく必要があると思います。例えば同じ量で価格の違う製品があった時に、安い方は製造の効率化など企業努力でその価格を実現できているかもしれないし、高い方は環境に良い製造を実現するためだったり、人件費なども不当に下げることなく製造して結果的にどうしてもコストがかかっているのかもしれない。
でもただ商品が並べられているだけだと、そういう事情は消費者には見えないですよね。こういう理由で適正価格で物を作っているのですと、企業は情報を開示していかないといけないのかなと思います。そういうことがあとから企業のブランディングになって消費者からの信用を得ていけるのだと思います。
中雄さん ケースバイケースというか、局所的なものなのか、経営が駄目なのかもそうですし、いろいろな立場の人がいるし、問題があるかなと思うので、いろいろな人の話を聞いて考えるというのは確かに重要なのかなと思いました。今回のゲームにはなかった従業員の立場や銀行の立場も考えられたら面白くなるのかなと思いました。
SDGsが広まってきて消費者も少しは意識して買おうと考えるようになったとは思うのですが、なかなか自分から調べる人は少ないのかなと思っていて、消費者の行動が改善したとしても、企業側が発信していくのはすごく重要なことなのかなと思いました。
桑原さん ヨーロッパの方では、デジタル製品パスポートという制度がこれから進んでいきます。2次元バーコードを読み込めば、人権侵害が行われていないか、環境破壊が行われていないかというのが見える形にしようというもので、これは法律で定められていきます。海外でそういう動きが始まると、いずれ日本でも同様の動きが来るかなと思っています。そんな時代だから、皆さん上手に情報収集して、それぞれの『メンパ』が高まるような、良い製品・サービスを選んでいただけるといいかなと思います。
講師紹介
桑原 崇
一般財団法人電気安全環境研究所 サステナビリティ推進室 室長
中原 智美
サミー株式会社 生産統括本部 生産企画本部 購買部
北條 茉実
株式会社りそなホールディングス グループ戦略部サステナビリティ推進室 担当マネージャー
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